韓国人と日本人の間に生まれた子どもの国籍は?出生申告と複数国籍について
韓国籍の父または母と、日本人の父または母との間に子どもが生まれる場合、
「子どもの国籍は日本?韓国?」
「韓国にも出生申告をした方がいいの?」
と疑問に思われる方もいらっしゃると思います。
特に日本で生活しているご夫婦の場合、日本の市区町村への出生届だけで手続きを終えてしまい、後になって韓国側の家族関係登録について気付くこともあります。
今回は、韓国人と日本人の間に生まれた子どもの国籍と、韓国への出生申告についてご紹介します。
韓国人と日本人の子どもは複数国籍になる場合があります
日本と韓国はいずれも、父または母の国籍を基礎として子どもの国籍を決める制度を採っています。
そのため、たとえば韓国籍の父と日本人の母との間に生まれ、出生によって双方の国籍取得要件を満たす子どもは、日本国籍と韓国国籍の両方を持つことになります。
駐大阪大韓民国総領事館でも、「韓国人と日本人の間で出生した子供」を「複数国籍者」として出生申告の手続きを案内しています。
ただし、具体的な国籍の取得については、出生時の父母の国籍や法律上の親子関係などによって確認が必要となる場合があります。
韓国への出生申告も忘れずに
日本で生まれた場合、まず日本の市区町村に出生届を提出します。
しかし、日本への出生届と韓国への出生申告は別の手続きです。
韓国籍の親がいる場合には、韓国側の家族関係登録簿へ出生を反映させるため、韓国への出生申告についても確認しておくことが大切です。
駐大阪大韓民国総領事館では、韓国人と日本人の間に生まれた子どもの出生申告について、主に、
- 出生申告書
- 出生事項が記載された日本の戸籍謄本と韓国語翻訳
- 韓国人の家族関係証明書(詳細)
- 韓国人の婚姻関係証明書(詳細)
- 申告人の身分証
- 母子手帳
などを案内しています。申告時の状況によって追加書類が必要になる場合もあります。
出生申告をしていなくても「韓国籍ではない」とは限りません
ここは特に注意したいところです。
韓国への出生申告をしていないからといって、当然に「韓国籍を取得していない」ということにはなりません。
韓国政府も、出生当時に父または母が韓国国籍を有していた場合には、出生申告の有無とは別に韓国国籍の有無を確認する必要がある旨を案内しています。
そのため、
「韓国に出生申告していないから自分は日本国籍だけ」
と自己判断しないことが大切です。
日本では国籍を選択する期限があります
出生によって日本と外国の国籍を持つことになった方について、日本の国籍法では国籍選択の制度があります。
現在は、18歳になる前に重国籍となった場合、20歳に達するまでに国籍を選択することとされています。
なお、期限を過ぎたからといって、その時点で自動的に日本国籍を失うという制度ではありません。法務省は、期限を過ぎた場合も国籍を選択する必要があり、一定の場合には法務大臣による催告制度があると案内しています。
男の子の場合は韓国の兵役との関係にも注意が必要です
韓国籍を持つ男性の場合には、将来の国籍選択を考える際、韓国の兵役制度との関係にも注意が必要です。
韓国政府は、複数国籍の男性が韓国国籍を離脱する場合、原則として18歳になる年の3月末までという重要な期限を案内しています。
この時期を過ぎると、原則として兵役義務が解消された後でなければ国籍離脱ができないという取扱いがあります。
ただし、国外で出生・生活している方については要件や例外的な国籍離脱許可制度などもあります。
そのため、男の子の場合には特に、成人直前になって初めて考えるのではなく、早めに韓国総領事館等の最新情報を確認しておくことが大切です。
将来どちらの国籍を選ぶかは、本人にとって大切な問題です
日本と韓国の両方に家族やルーツがある子どもにとって、将来どちらの国籍を選択するかは、とても大切な問題です。
幼い時点で周囲が将来の結論まで決めてしまうのではなく、まず必要な出生・家族関係登録の手続きを行い、成長した本人が自分の生活や将来を考えて判断できるようにしておくことも大切ではないでしょうか。
特に韓国籍の離脱を検討する男性については期限と兵役制度が関係しますので、家族も制度を理解しておくと安心です。
韓国への出生申告に必要な翻訳も承っております
当事務所では、韓国への出生申告等で必要となる日本の戸籍謄本などの韓国語翻訳を承っております。
また、韓国の家族関係証明書・基本証明書・婚姻関係証明書などの日本語翻訳にも対応しております。
「韓国への出生申告には何を準備すればよい?」
「日本と韓国の両方に関係する書類の翻訳が必要」
という場合も、お気軽にご相談ください。
参考:法務省「国籍の選択について」「国籍選択の届出」、駐大阪大韓民国総領事館「出生申告」、駐日本国大韓民国大使館「複数国籍者の韓国籍離脱申告案内」
※国籍に関する取扱いは、出生時期、出生地、父母の国籍・身分関係等によって異なる場合があります。個別の国籍については、日本の法務局や韓国総領事館等へ最新の取扱いをご確認ください。

