日本の帰化許可者は累計約61万9,000人|中国と韓国・朝鮮の順位逆転、その背景にある国籍の多様化
法務省が公表している統計を合計すると、昭和27年(1952年)から令和7年(2025年)までに、帰化を許可された人は累計約61万9,000人に上ります。
2025年の帰化許可者数は9,258人で、国籍別では中国が3,533人と最も多く、韓国・朝鮮が2,017人、ネパールが695人と続きました。
この数字だけを見ると、「中国籍の方の帰化が急増している」と感じるかもしれません。しかし、過去からの推移を確認すると、実際の変化はそれほど単純ではありません。
今回は、長年最多だった韓国・朝鮮と中国の順位が入れ替わったこと、そして中国・韓国朝鮮以外の国籍が伸びていることに注目して、帰化許可者の変化を見ていきます。
1952年以降の帰化許可者は累計約61万9,000人
法務省が公表している年別の帰化許可者数を、統計に掲載されている1952年から2025年まで合計すると、約61万9,000人となります。
これは、長い期間にわたって帰化を許可された人の累計です。
ただし、この数字は「現在、日本に約61万9,000人の帰化した人が暮らしている」という意味ではありません。1952年以降の累計であるため、すでに亡くなった方や海外へ転居した方なども含まれます。
また、帰化が許可された方は日本国籍を取得するため、許可後は在留外国人統計の「外国人」には含まれません。
2025年の帰化許可者は9,258人
2025年の帰化許可者数は、国籍別に見ると次のようになっています。
| 順位 | 帰化前の国籍・地域 | 許可者数 |
|---|---|---|
| 1 | 中国 | 3,533人 |
| 2 | 韓国・朝鮮 | 2,017人 |
| 3 | ネパール | 695人 |
| 4 | ブラジル | 409人 |
| 5 | ベトナム | 357人 |
| 6 | フィリピン | 352人 |
| 7 | ミャンマー | 273人 |
| 8 | スリランカ | 248人 |
| 9 | バングラデシュ | 229人 |
| 10 | ペルー | 180人 |
| - | その他 | 965人 |
| 総数 | 9,258人 |
2025年は中国が全体の約38%、韓国・朝鮮が約22%を占めています。
中国と韓国・朝鮮を合わせると5,550人で、全体の約60%です。一方で、それ以外の国籍を合計すると3,708人となり、全体の約40%を占めています。
長年最多だった韓国・朝鮮と中国の順位が逆転
日本の帰化許可者は、長年にわたり韓国・朝鮮籍の方が最も多い状態が続いていました。
しかし、近年は韓国・朝鮮籍の許可者数が減少する一方、中国籍の許可者数が上回るようになりました。
| 年 | 韓国・朝鮮 | 中国 | その他 |
|---|---|---|---|
| 2014年 | 4,744人 | 3,060人 | 1,473人 |
| 2017年 | 5,631人 | 3,088人 | 1,596人 |
| 2019年 | 4,360人 | 2,374人 | 1,719人 |
| 2021年 | 3,564人 | 2,526人 | 2,077人 |
| 2022年 | 2,663人 | 2,262人 | 2,134人 |
| 2023年 | 2,807人 | 2,651人 | 3,342人 |
| 2024年 | 2,283人 | 3,122人 | 3,458人 |
| 2025年 | 2,017人 | 3,533人 | 3,708人 |
2023年までは韓国・朝鮮が中国を上回っていましたが、2024年には中国が3,122人、韓国・朝鮮が2,283人となり、順位が逆転しました。
2025年も中国3,533人、韓国・朝鮮2,017人となり、中国が2年続けて最多となっています。
韓国・朝鮮籍の帰化許可者は減少傾向
韓国・朝鮮籍の帰化許可者数は、年によって多少の増減はあるものの、長期的には明らかな減少傾向にあります。
2017年には5,631人でしたが、2025年には2,017人となりました。8年間で3,614人減少し、割合にすると約64%の減少です。
日本には、歴史的な経緯から韓国・朝鮮籍の特別永住者が多く暮らしてきました。しかし、特別永住者の人数自体が減少していることや、すでに多くの方が帰化してきたことなどが、帰化許可者数の減少に関係している可能性があります。
ただし、法務省の国籍別帰化許可者数は、許可された人数を示す統計です。個々の方が帰化を希望した理由や、申請しなかった理由まで示すものではありません。そのため、統計だけから背景を断定することはできません。
中国籍の帰化許可者は本当に増加し続けている?
中国籍の帰化許可者は、2024年に3,122人、2025年に3,533人となり、直近では増加しています。
しかし、過去10年ほどの推移を見ると、毎年一貫して増え続けてきたわけではありません。
- 2014年:3,060人
- 2017年:3,088人
- 2019年:2,374人
- 2021年:2,526人
- 2022年:2,262人
- 2023年:2,651人
- 2024年:3,122人
- 2025年:3,533人
2014年から2022年までは、おおむね2,000人台から3,000人程度の間で増減しています。2023年から2025年にかけては3年続けて増加していますが、長期的に一直線で急増してきたとはいえません。
2025年の3,533人は近年では多い数字ですが、中国籍の方の帰化だけが突出して拡大し続けていると捉えるのは正確ではないでしょう。
中国が1位になった背景には、中国籍の許可者が直近で増えたことに加え、長年1位だった韓国・朝鮮籍の許可者が大きく減少したこともあります。
むしろ伸びているのは「中国・韓国朝鮮以外」の国籍
近年の統計でもう一つ注目したいのが、中国と韓国・朝鮮以外の国籍です。
中国・韓国朝鮮以外の帰化許可者を合計すると、次のように変化しています。
- 2019年:1,719人
- 2021年:2,077人
- 2022年:2,134人
- 2023年:3,342人
- 2024年:3,458人
- 2025年:3,708人
2019年の1,719人から2025年の3,708人へ、6年間で約2.2倍になりました。
2025年には、「その他の国籍」の合計3,708人が、中国籍の3,533人を上回っています。
つまり、日本への帰化は中国と韓国・朝鮮の方が中心であることに変わりはありませんが、国籍構成は確実に多様化しています。
ネパールなど南アジア・東南アジアの国籍が存在感
2025年には、ネパール籍の帰化許可者が695人となり、中国、韓国・朝鮮に次ぐ第3位になりました。
ネパール籍の許可者は、2021年の108人から、2022年139人、2023年331人、2024年585人、2025年695人へと増えています。2021年と比べると、2025年は約6.4倍です。
また、2025年にはベトナム357人、フィリピン352人、ミャンマー273人、スリランカ248人、バングラデシュ229人となっています。
在留外国人の国籍が多様化するにつれて、日本で長く暮らし、将来の生活を考えて日本国籍の取得を希望する方の国籍も広がっていると考えられます。
ただし、帰化許可者数の増減には、日本に住む各国籍の人数、来日時期、在留年数、在留資格、家族関係など、さまざまな要素が関係します。許可者数だけで、特定の国籍の方が帰化しやすい、または許可されやすいと判断することはできません。
帰化許可者全体が急増しているわけではない
国籍構成は変化していますが、帰化許可者の総数そのものが急増しているわけではありません。
- 2017年:10,315人
- 2018年:9,074人
- 2019年:8,453人
- 2020年:9,079人
- 2021年:8,162人
- 2022年:7,059人
- 2023年:8,800人
- 2024年:8,863人
- 2025年:9,258人
近年の帰化許可者数は、年間おおむね7,000人台から9,000人台で推移しています。
2025年は前年より395人増えましたが、2017年の1万315人には届いていません。
したがって、現在起きているのは「帰化許可者全体の急増」というよりも、韓国・朝鮮籍の割合が低下し、中国籍が最多となり、同時に南アジアや東南アジアをはじめとする国籍の多様化が進んでいることだと考える方が、統計を正確に表しています。
まとめ
法務省の統計からは、次のような変化が読み取れます。
- 1952年から2025年までの帰化許可者は累計約61万9,000人
- 2025年の帰化許可者は9,258人
- 2024年に中国が韓国・朝鮮を上回り、2025年も中国が最多
- 韓国・朝鮮籍の許可者数は長期的に減少傾向
- 中国籍は直近3年間では増えているが、長期的に一貫した増加ではない
- 中国・韓国朝鮮以外の国籍は、2019年から2025年までに約2.2倍
- 帰化許可者全体の急増というより、国籍構成の多様化が進んでいる
単年の順位だけを見ると、中国籍の帰化許可者が急増しているように感じるかもしれません。
しかし、長期的な統計を確認すると、中国籍の許可者数はこれまでも増減を繰り返しています。近年の大きな変化は、韓国・朝鮮籍の減少と、ネパールをはじめとするさまざまな国籍の方の増加です。
帰化を希望する方の背景は一人ひとり異なります。国籍別の人数だけで判断するのではなく、日本での生活の長期化や、在留外国人全体の多国籍化という視点から見ることも大切です。
【参考資料】
※本記事は、2026年9月7日現在の法務省公表資料をもとに作成しています。掲載した増減率や累計は、公表数値をもとに当事務所が計算したものです。

