在日韓国人の方が亡くなった場合の相続|必要になる韓国戸籍と書類について
日本で長く生活していた韓国籍の方が亡くなった場合、
「日本の戸籍がないけれど、どうやって相続人を証明するの?」
「韓国の家族関係証明書だけで相続手続きができる?」
と戸惑われることがあります。
日本人の相続では、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を取得して相続人を確認するのが一般的です。
一方、韓国籍の方には日本の戸籍がありません。
そのため、韓国の戸籍関係書類を取得して、相続関係を確認していくことになります。
今回は、在日韓国人の方が亡くなった場合に必要となる韓国の戸籍関係書類についてご紹介します。
まず亡くなった方の国籍を確認します
相続では、亡くなった方(被相続人)が死亡時にどの国籍だったのかが重要になります。
日本の「法の適用に関する通則法」第36条では、
「相続は、被相続人の本国法による。」
と定められています。
そのため、亡くなった方が韓国籍であった場合には、原則として韓国法を確認しながら相続関係を判断することになります。
一方、以前は韓国籍であっても、死亡時には日本へ帰化して日本国籍となっていた場合には、死亡時の国籍を踏まえて適用される法律を確認することになります。
まずは「在日韓国人だった」ということだけではなく、亡くなった時点での国籍を確認することが大切です。
韓国籍の方には日本の戸籍がありません
韓国籍の方は日本で何十年生活していても、日本人と同じ戸籍が作られるわけではありません。
そのため、日本で相続手続きをする際にも、韓国の戸籍関係書類を使って、
配偶者は誰か
子は何人いるか
父母は誰か
養子縁組がないか
過去の身分関係はどうなっているか
などを確認していく必要があります。
2008年より前は韓国の「除籍謄本」を確認します
韓国では2008年1月1日から、従来の戸籍制度に代わって「家族関係登録制度」が始まりました。
それまでの韓国戸籍は、現在では除籍謄本として取得することができます。
相続では、現在の家族関係だけではなく、亡くなった方の出生から死亡までの身分関係を確認する必要があります。
そのため、2008年より前の身分関係については、韓国の除籍謄本が重要な資料となります。
古い手書きの戸籍から電算化された戸籍まで、複数の除籍謄本をさかのぼって確認することもあります。
2008年以降は家族関係登録事項別証明書を確認します
現在の韓国では、身分関係を証明する書類が目的に応じて分かれています。
主なものは、
- 家族関係証明書
- 基本証明書
- 婚姻関係証明書
- 入養関係証明書
- 親養子入養関係証明書
の5種類です。
相続では、この5種類を機械的にすべて取得すればよいというものではありません。
被相続人の婚姻歴や養子縁組、相続人の範囲など、確認する必要がある身分関係に応じて必要な証明書を判断します。
「一般」と「詳細」の違いにも注意しましょう
韓国の家族関係登録事項別証明書には、記載される情報の範囲によって「一般」「詳細」などの区分があります。
相続では過去の身分関係まで確認する必要があることがありますので、必要な情報が省略されていない証明書を準備することが重要です。
ただし、どの証明書のどの種類が必要になるかは相続関係や提出先によって異なります。
「相続だから必ずこの証明書」と一律に考えず、実際の相続関係に応じて確認しましょう。
韓国の戸籍書類には日本語翻訳が必要になります
韓国の除籍謄本や家族関係証明書等を日本の法務局、金融機関などで使用する場合には、通常、内容を確認するための日本語翻訳文を準備することになります。
特に古い韓国の除籍謄本は、
- 手書きで記載されている
- 漢字やハングルが混在している
- 古い身分事項が多数記載されている
など、現在の家族関係証明書より読み取りが難しいことがあります。
相続人を確認する重要な資料ですので、原文との対応関係がわかるよう正確に翻訳することが大切です。
必要書類は家族関係によって変わります
たとえば、
配偶者と子がいる場合
子がおらず父母がいる場合
兄弟姉妹まで相続関係を確認する場合
養子がいる場合
すでに亡くなった子がいて代襲相続が生じる場合
などでは、確認する範囲が異なります。
そのため、韓国籍の方の相続では、
① 家族関係を整理する
② 必要となる韓国戸籍を判断する
③ 除籍謄本・家族関係登録事項別証明書を取得する
④ 日本語へ翻訳する
⑤ 提出先に必要書類を確認する
という順番で進めると整理しやすくなります。
韓国籍の方の相続・韓国戸籍翻訳もご相談ください
当事務所では、韓国籍の方の相続に必要となる、
韓国の除籍謄本・家族関係証明書・基本証明書・婚姻関係証明書などの日本語翻訳
を承っております。
また、
「どの韓国戸籍を確認すればよいかわからない」
「古い除籍謄本が何通もあって、家族関係がわからない」
「相続人を確認するためにどの書類が必要なのかわからない」
という場合もご相談ください。
日本と韓国にまたがる相続では、まず家族関係を一つずつ整理することが大切です。
参考:法の適用に関する通則法第36条、駐大阪大韓民国総領事館「家族関係など書類発給」
※相続関係や提出先によって必要となる書類は異なります。実際の手続きでは、法務局・金融機関等の提出先や関係機関の最新の取扱いをご確認ください。

