長男の嫁の立場
個々人の家の事情や地域性により様々な見解はあるでしょうが
日本にはまだ「長男のお嫁さん」という立場が残っているような気がします。
戸主制度があった名残なのでしょうが
長男のお嫁さんには長男のご両親やその家との関係において
期待される立場や責任があるということです。
長男のお嫁さんということを理由に義父母の面倒をみている方は沢山いらっしゃるはずです。
そんな「長男のお嫁さん」という立場は
相続においては恩恵を受けない立場となります。
実の親子ではないため、相続人にならないからです。
義父母の介護を長男のお嫁さんにまかせっきりであったとしても
次男や次女には相続権があり遺産の分割がされますが
「長男のお嫁さん」は何もありません。
長男のお嫁さんとして献身的に介護などをした「寄与分」は
相続人である長男に生じさせることもありますが
既に長男が死亡している場合、その主張は難しいものとなるかもしれません。
平成30年に民法で定められ
相続人でなくても、特別な貢献をした実績のある人は「特別寄与者」として
主張はできるようになりましたが、実際、どれくらいの評価がされるのかは
運用年数があまりないため、よくわかりません。
長男が死亡している場合は、その子供たちが相続人になります。
もし、長男が死亡しており、子供がいなければ・・・
このように義父母の介護等に貢献した長男の嫁に、財産を確実に遺すためには
遺言書を作成し遺贈する必要があります。
ただ、他の相続人との関係もありますので
遺留分を侵害しない限りで遺贈をするのが望ましいと考えます。
長男のお嫁さんが、相続人たちともめて辛い立場にならぬように
配慮した遺言を考えましょう。
経済的に厳しい環境であり、夫を亡くしているのであれば
是非、長男の嫁であるあなたから
義父母に遺言を書いておいてもらうようにお願いをすることも一つです。