日本に在住する外国人、外国にいる日本人の遺言
日本に相当期間在住する外国人であれば、本国法に定める方式に従う場合はもちろん
日本の民法に定める方式に従い遺言を作成することができます。
【自筆証書遺言の場合】
自筆証書遺言に用いる言語は、日本語でも外国語でも問題ありません。
ただし、自筆証書遺言となりますので、「財産目録」を除く全文は手書きで書く必要があります。
また、捺印でなく署名でもよいとされています。
法務局の遺言書保管制度も利用できますが、遺言書が外国語である場合は
日本語の翻訳文が必要となります。
制度の利用時の申請書等は日本語表記しか認められませんので注意しましょう。
日本の法律に従って「検認」を受けたとしても
海外に財産がありそれに関する遺言であった場合は、その財産がある国での検認が必要になることがあります。
【公正証書遺言の場合】
公正証書遺言は日本語での作成となります。
本人が日本語を解せない場合は通訳人を立ちあわせる必要があります。
外国人の書いた遺言書が有効か無効かの判断は、遺言者の国籍を有する国の法律が適用されることが一般的です。
ただし、遺言者の本国法において、遺言をした国の法律を適用するとあれば、日本の法律が適用されます。
外国にいる日本人が遺言をしたい場合
もちろん遺言をすることができます。
自筆証書遺言の場合は、押印がなければ無効になる可能性があるので気を付けましょう。
拇印でもよいとされています。
公正証書遺言は、日本の領事館があれば、その領事が公証人の職務を行うことができます。
ただし、領事は法律のプロではありませんので、遺言書の内容の相談(法律的に耐えられるかどうかの判断)はできません。
海外での遺言において争いが生じたときに、どこの国の法律に従うのか等の問題があります。
国をまたがる遺言書の作成は、専門家と相談しながら進めていきましょう。