自筆証書遺言書保管制度について(3)

法務局の遺言保管申請をする際には、必ず事前予約をしてから

遺言者本人が出向く必要があります。

そして、完成した自筆証書遺言を持っていかなければいけません。

法務局の遺言書管理所では遺言の形式のチェックはしてくれますが

内容のチェックまではしてくれませんので注意しましょう。

ここでは「遺言書を預けた後」のことについてみていきます。

遺言者自身は、閲覧請求と遺言書の返却をお願いすることができます。

また、住所などが変更した場合は、届出書の提出が必要となります。

そして、相続人などは、遺言書が預けられているのかを確認することができ

遺言書の内容の証明書を取得することができます。

また、閲覧も可能です。

ただし、相続人が確認できるのは、遺言者が亡くなった後に限られます。

【遺言者】

<しなければならないこと>

遺言者の住所等に変更があった場合は、届出書を提出する(郵送可)

届出ができる人:遺言者本人もしくは法定代理人

変更には手数料はかかりません。

【提出が必要な書類】

  • 提出届
  • 遺言者の氏名、生年月日、住所、本籍(国籍)が変わった場合は、その変更が生じたことを証明する書類
  • 遺言者の戸籍の筆頭に記載された者の氏名が変わった場合は、その変更が生じたことを証明する書類
  • 法定代理人によって届出をするときは、戸籍謄本その資格を証明する書類(3か月以内のもの)
  • 届出人の本人確認書類のコピー

<できること>

遺言者が預けた遺言書をみる(閲覧)

  閲覧方法:モニターでの画像の閲覧、原本の閲覧

1)閲覧請求する遺言書保管所を決める 

  モニターの場合は、全国のどの保管所でも閲覧請求することができます

  原本の場合は、預けた保管所でのみ閲覧請求することができます

2)請求書の作成

  法務省のHPからダウンロードもできます

  窓口にも備え付けがあります

3)閲覧請求の予約をする

4)閲覧請求をする

  本人の顔写真付きの身分証明書の提示が必要です

  モニターによる閲覧手数料:1,400円

  原本の閲覧請求手数料:1,700円

  収入印紙での納付となります。(法務局で購入可能です)

5)   閲覧する

遺言書を返してもらう(撤回)

遺言者は、「保管申請の撤回」をすることにより、遺言書の返還を受けることができます。

ここで重要なことは、保管申請の撤回と遺言の効力とは関係がないということです。

つまり、遺言書を返してもらったからといって

その遺言書が「無効」になるわけではありません。

この保管申請の撤回ができるのは遺言者本人のみです。

1)   撤回書を作成する

2)   撤回の予約をする

   遺言書が保管されている遺言書保管所のみでできます

   本人の顔写真付きの身分証明書が必要です

3)   撤回し、遺言書を返してもらう

撤回には、手数料はかかりません。

撤回後は遺言者に遺言書を返還し、遺言書のデータ情報は消去されます。

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