遺言数の増加傾向

欧米では遺言を書くことが主流となっており

半数以上の人が遺言を残していると言われています。

それに比べ、日本ではまだ法定相続が中心であり、遺言文化は根付いていません。

しかし、日本においても遺言を書く人は年々増加傾向にあります。

日本公証人連合会により公表された公正証書遺言の数は、次の表の通りです。

今から40年以上前に比べると、現在では遺言の数は5倍に増えています。

公正証書遺言の作成件数

昭和52年       2万6629件

平成23年              7万8754件

平成24年              8万8156件

平成25年              9万6020件

平成26年             10万4490件

平成27年             11万0778件

平成28年             10万5350件

平成29年             11万0191件

平成30年             11万0471件

令和元年      11万3137件

令和2年               9万7700件

なぜ、遺言を書く人が増えているのでしょうか。

一つは家族関係の複雑化が考えられます。

また、昔に比べ、個々人が所有している財産(遺産)が

争いごとが起きるほど大きくなってきたこともあるでしょう。

生活するだけで精いっぱいであった時代が終わり

将来に備え、投資や不動産などを購入する人が増え

争うに値する資産を持つまでになりました。

遺言が、遺産分割の紛争防止に役立つことが知られるようになり

遺言を書く人が増えたと考えられます。

円満な相続には遺言が必要であるといったことが少しずつ根付きはじめているのでしょう。

それ以外に介護の問題の深刻性も考えられます。

最後の財産をうまく利用し、自身の介護を誰かに確実にお願いしたい。

また反対に介護をしてくれた人に少しでも多く財産分けしたい

という心理も関係があるでしょう。

これから、法務局での遺言書保管制度が始まったことをきっかけに

今後、自筆証書遺言もどんどん増えていくことが考えられます。

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