遺言は完ぺきではない
遺言は完ぺきなものではありません。
遺言の短所
ここでは、遺言の短所についてお話ししましょう。
もう少し詳しく見ていきましょう。
① 遺言者自身がいつでも書き変えることができるというのは
もちろん利点の一つでもあります。
早々遺言を準備したが、施設に入ることになり、財産を処分してしまうことが生じても
再度書き直すことで、また自分の意向に沿った遺言書を作成することができます。
何度でも書き直しができることは、気負わず、終活できるということです。
しかし、ここでの指摘は、遺言者が歳をとるとともに
周囲の圧力や甘言により遺言書を書き換えてしまう可能性があることの指摘です。
それも事実としてあるでしょう。
② 第三者により書き変えの恐れは、
公正証書遺言や法務局の遺言書管理制度を使うことによって防ぐことはできますので
以前よりリスクは軽減されたと言えます。
③ 相続人全員の一致があれば、遺言の内容は無視できます。
これは、相続人が仲が良く、遺言通りでは紛争が起きる状況を回避するために
自らの話し合いで解決したということもあるでしょうが
誰かの圧力に押され、全員一致のようにみせかけたということもありそうです。
④ 遺言では生前対策は行えません。
遺言は遺言者が亡くなった時に効力を持ちます。
遺言を残す重要性がわかっていても
自らの財産がいくらあるのか等と早々に確定することは難しく
生前贈与で財産を分けることもできますが、資金不足に注意する必要があります。